ラウンドファスナー長財布は中級者向けのレザークラフト作品かと考えています。 理由は張り合わせるパーツ一つ一つに高い精度と緻密さが求められるからです。 作品の完成の最後の工程で外装と内装を縫い合わせる工程があるのですが、この工程で今まで作ってきた各パーツの精度が低かったために外装と内装が合わない といった不具合が起きることが有る為です。 最終工程までのパーツ作りでは中心点を常に意識して作らないと作品の出来栄えに大きく影響を及ぼしかねません。 そのため、ラウンドファスナー長財布はレザークラフトにおける中級者向けの作品だと考えています。 このサイトでは型紙はもちろん、動画でも作成方法が 確認できるので、是非参考にして下さい。
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ラウンドファスナー長財布制作動画
この動画では、ラウンドファスナー長財布の制作方法の作成風景を描画しています。 是非参考にして下さい。
目次に戻る型紙
動画で作成したラウンドファスナー長財布の型紙です。印刷した型紙の画面下部が150mmであることを確認の上、作成してください。 目次に戻る制作情報
- 制作期間 : 2日間
- 革の厚み : 外装 2mm厚 | コインケース 1mm厚 | カードケースAB 1mm厚 | カードポケットAB 1mm厚 | マチAB 1mm厚
- 費用 : 10000円以内 (道具はそろっていることが前提)
- サイズ : 縦 約10cm 横 約20cm
制作手順
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革を切り出す
型紙を使って革を切り出す。今回は外装は2mm厚、内装はすべて1mm厚の革を用いる。
革を切り出す際は手を切らないように十分に気を付けましょう。 角の丸い箇所は革包丁を引いて切るのではなく、 動画の様にサクサクっと徐々に角を落としていくイメージで行うと綺麗な角を形成できます。 -
外装のヘリを落とす
外装のヘリをヘリ落としで落とす。
ヘリ落としは使っていくうちに切れ味が落ちてきます。 切れ味を保つためにメンテナンスを行うことをお勧めします。 メンテナンスの仕方はヘリ落としの砥ぎ方を参考にしてみて下さい。 -
コバを磨く
コバに水を付け、スリッカーでコバを磨いた後にトコノールでコバを磨くとコバが綺麗に仕上がる。
今回はルーターを用いて磨きました。 水で磨くことでウェットフォーミングにより綺麗な形を形成できます。 水で磨いた後にトコノールをつけて磨くとツヤがでて出来栄えが良くなります。 -
フチ捻を入れる
カードケースA、カードポケットA、Bの上部にフチ捻を入れる。
アルコールランプで捻を熱し、ゆっくりと丁寧に捻を入れる。 フチ捻は必ず入れなくてはならない物ではない為、不要と感じる方は入れる必要はありません。 -
コインケースにファスナー No.3 16cmを付ける
・コインケースのファスナー取り付け位置にステッチンググルーバーで縫い線を引く(表面 3mm幅)
・コインケースの裏側にダイアボンドを塗る。
・コインケースとファスナーを仮付けする。
ファスナーをひき、その上にコインケースを乗せるといった感じで仮止めすると良いでしょう。 この作業は一発で決めて下さい。 やり直しが生じると ファスナーにダイアボンドの黄色い色が付着してしまい、出来栄えを下げてしまいます。 -
コインケースとファスナーを縫い付ける
・菱目打ちで縫い穴を開ける
・サドルステッチでコインケースとファスナーを縫う
ダイアボンドが乾いたら、縫い穴を開けサドルステッチで本縫いします。いかに縫い目をまっすぐにするかは、縫い穴がまっすぐ開けられないといけません。 綺麗な縫い目を作る為には、縫い穴を丁寧に、直線を意識して開けると良いでしょう。 -
カードポケットを仮止めする
・カードポケットBの下部をステッチンググルーバーで縫い線を引く。
・カードケースAにカードポケットAをサイビノールで仮止めする。
仮止めする位置はカードケースAの型紙の印を参考にして下さい、 目打ちで印をつけても、印をつけた箇所は革で隠れるので、跡が残りません。 -
カードポケットを縫う
・菱目打ちで縫い穴を開ける
・ポリエステル糸をサドルステッチで縫う
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2段目のカードポケットを取り付ける
1段目のカードポケット同様に2段目のカードポケットを縫い付ける -
カードポケットの耳を仮止めする
サイビノールで仮止めする。仮止めするのみでまだ縫わない
カードポケットの耳の部分のみ、仮止めします。 -
カードポケット最後の段を仮止めする
・カードケースAの下部にサイビノールを塗る。
・カードポケットBの左右にサイビノールを塗る。
・カードケースAとカードポケットBを仮止めする。
サイビノールはカードケースAの下部とカードポケットBの左右に塗るようにしてください。
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カードケースとカードポケットの真ん中を縫う
・カードケースAとカードケースBの型紙の印を目打ちで革に印をつける。
・印同士を目打ちで結ぶ(定規を使って直線を引く)
・菱目打ちで縫い穴を開け、縫いあわせる
カードポケットBの下がはみ出ていたら、はみ出ていた箇所を裁断する
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カードケースを仮止めする
・カードケースAとカードケースBを仮止めする。
カードケースAの中心点とカードケースBの中心点を合わせる事で真ん中に仮止め出来る。
中心点を意識しないとずれたカードケースになってしまい、最終工程に影響が出てしまいます。
・同じものを2つ作る。 -
コインケースとカードケースを仮止めする
・コインケースの型紙の線の位置をサイビノールを塗る コインケースの中心点とカードケースの中心点を合わせる事で真ん中に仮止め出来る。
中心点同士を張り合わせられないと大きく作品の出来栄えに影響する。必ず中心点同士を合わせるようにする事。
コインケースの中心点を出すには、切込みを入れた下部で中心点を出すのではなく、切込みを入れていないコインケース本体の 中心点を出す必要があります。 切込みを入れた下部で中止点を出してしまうとズレが生じる可能性があります。 -
縫い代を引く
・カードケースの横は2mm幅で縫い代を引く
・カードケースの下は3mm幅で縫い代を引く
カードケースの横を2mm幅で縫わないと、出来上がった作品のカードの出し入れがきつくなってしまいます。 2mm幅で縫い代を引きましょう -
本縫いをする
コインケースとカードケースを本縫いする。
この工程により、カードケースとコインケースの接続が完了します。 -
コインケースを仮止めする
・コインケースにサイビノールを塗り仮止めする
・コインケースの下部は、型紙の四隅の点の位置を参考にサイビノールを塗る
・コインケースの横は大体、3mm幅程度に塗る
サイビノールはつけすぎない様にして下さい。つけすぎると横からはみ出て来てしまいます。
コインケースの上部はクリップで仮止めが乾くまで挟むと良い。
革を直接クリップで挟むとクリップの跡がコインケースについてしまうので、不要な革を挟むと跡がつかない。 -
コインケースの下部を本縫いする
・コインケースの型紙の点を参考に縫い代を引く
・縫い代に沿って菱目打ちで縫い穴をあけ、本縫いする -
コインケースにマチをつける
・マチに折り目をつける
・コインケースにつける側のみサイビノールを塗る
・コインケースとマチを仮止めする
仮止めはコインケースとマチがズレると、後の工程でコバを形成する時に大変になるので、ズレが生じないように仮止めしてください。
・マチはコインケース4か所につける
・3mm幅で縫い代を引き、縫い合わせる -
コインケースのコバを整える
・ルーターにサンディングバンドをつけコバを削り整えるく
・手で削ると非効率(かなり大変)なのでルーターを使用することをオススメします。
・ヘリ落としでヘリを落とす
・水でコバを磨いた後にトコノールでコバを磨く
水でウェットフォーミングによるコバの形成が美しさを上げてくれます。 -
ファスナー No.4 40cmを取り付ける
・ダイアボンドを7mm幅でカードケースの裏に塗る
ダイアボンドは乾きやすいので、若干多めに塗ると良い。
・ファスナーの中心点とカードケースの中心点を合わせて貼り付ける
・コーナー箇所は目打ちで菊よせする
コーナーの菊よせは難易度が高いです。まずは真ん中から、そして真ん中をつけたことにより出来た両サイドのファスナーの山の真ん中をといった 感じで徐々に菊よせしていく
・ファスナーの両端は織り込んで、財布にダイアボンドで固定する事で上記の写真のような出来になる。 -
外装に縫い代を引く
・外装の表側に3mm幅でステッチンググルーバーで縫い線を弾いておく
このタイミングで縫い代をひいておかないと跡で弾くことができない -
外装と内装をつける
・外装に7mm幅でダイアボンドを塗る
・内装と外装を仮止めする
内装と外装の仮止めがズレてしまうと、出来栄えに影響が及ぶので正確に仮止めする事
・反対側も同じように内装と外装を張り合わせる
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マチを仮止めする
・4か所すべてのマチをサイビノールで仮止めする
・マチは革の端に合わせて貼り付ける。後に外装と内装を縫い合わせる際に縫わさる。 -
外装と内装を縫い合わせる
・菱目パンチで縫い穴を開け、サドルステッチで縫い合わせる。 菱目パンチが無いと穴の始めと終端の穴が、非常に開けずらいです。 是非菱目パンチを取り入れましょう。 菱目打ちでもできないことはないですが、 かなり大変です。 外装と内装を縫い合わせる穴が綺麗に開けられないと、外装の縫い目がガタガタになってしまい、出来栄えに大きく影響を与えます。 綺麗な縫い穴を開ける事、綺麗な本縫いを行う事が大切です。 -
完成です
・お疲れさまでした。完成したラウンドファスナー長財布の出来栄えはいかがでしょうか? 最終工程の外装と内装の縫い合わせは綺麗にできたでしょうか? 初めて作って完璧にできるのはかなり大変な事だと思います。 どこかしらにズレが生じ、満足の良く出来にならなくても、何度か作っていくうちにコツをつかみ いつか、満足いく作品に仕上がります。 このラウンドファスナー長財布が完璧に作れたら、それはもうレザークラフトにおける腕はかなり上達した証拠となるでしょう。 このサイトでは他の作品の型紙や作り方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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ポイント・注意点
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今回のラウンドファスナー長財布は結構難しかったのではないでしょうか? 特に中心点をおろそかにすると出来栄えが悪くなってしまう所が難所だったかと 思います。 ラウンドファスナー長財布は男性・女性どちらが使用していてもおかしくない財布です。 ファスナーの菊よせが上手くいった時の感覚は 最高だったと思います。 今回は外装にルガトを使いました。 ルガトってツヤがあり、質感も最高でテンションが上がる出来栄えですよね! 今回のラウンドファスナー長財布を完璧に作れたあなたはレザークラフトの初心者から中級者に格が上がったと思っていただきたいです。 今回の立体感のある財布は今までの財布や平らな作品とは難易度が各段に違って難しい作品です。 異性へのプレゼントに作品を作ると喜んでくれると思います。 このラウンドファスナー長財布を作りきったあなたはもうレザークラフト沼にずっぽりと足を踏み入れています。 レザークラフト用のミシンの導入も 検討しても良いころかもしれません。 レザークラフトにミシンを取り入れると、作品にかかる時間が一気に短くなります。 そうなるとレザークラフトで小遣い稼ぎ もできます。 minneやCreema辺りのサイトに自分の作品を出品しても良いころでしょう。 そこには新たなレザークラフトの窓があるかもしれません。
目次に戻るよくあるご質問 (FAQ)
Q: 初心者がいきなりラウンドファスナーに挑戦しても大丈夫ですか?
A: 正直に申し上げますと、難易度は「中級」です!工程が多く、特にファスナーのコーナー部分の処理にはコツが要ります。ですが、動画で「マチの取り付け方」や「ファスナーの貼り直し方」を細かく解説していますので、パスケースやバイカーズウォレットを一度作った経験がある方なら、中心点を意識し、じっくり時間をかければ必ず完成させられます。
Q: 菱目パンチがないと作れませんか?
A: 普通の菱目打ちでも制作可能ですが、「菱目パンチ」を強くおすすめします。この財布は最後に外装と内装をすべて重ねて縫うため、厚みがかなりのものになります。ハンマーで叩くタイプだと穴が斜めに抜けやすく、ファスナーを傷つけるリスクもありますが、挟んで開けるパンチ型なら垂直に、かつ静かに穴を開けられるので失敗が激減します。
Q: ファスナーはなぜ「4号」サイズを指定しているのですか?
A: 3号(細め)でも作れますが、長財布としての耐久性と、見た目のボリューム感(重厚感)のバランスが最も良いのが4号(YKKなど)だからです。また、コーナーを曲がる際のテープの「逃がし」も、4号サイズの方が調整しやすく、初心者の方でも歪みが目立ちにくくなります。
Q: ミシンは必要?
A: ミシンを使用すると早く作れますが、ミシンがなくても十分作成できます。
Q: 型紙印刷時の倍率は?
A: 100%で印刷してください。印刷後、紙の下にある線が150mmである事を必ず確認してから作業に取り掛かってください。
Q: 外装にコードバンやブライドルレザーを使ってもいいですか?
A: もちろんOKです!ただし、それらの硬い革を使う場合は、内装の革を少し薄め(0.8mm)にするなどの調整をすると、財布がパンパンにならずにスマートに仕上がります。型紙は2.0mm厚の外装を想定しているので、硬い革を使う際は吟味してみてください。



